自分が人のお世話をすることには全く抵抗がないけれど、 人からの援助は申し訳ないと思って頑なに遠慮してしまう。こういう方、結構多いですよね。
「人に迷惑をかけるな」と言われて育ってきた私も、ちょっとその傾向があるんじゃないかなと思います。
でも実はこれって、喜びの循環をちゃんと回せていないということになるんですよね。
人は『人の役に立った』と思えることで喜びを感じることができる高度な生き物。
人が差し出した手を受け取れない、ということは、その方が「人の役に立って嬉しい」と喜びを味わえる機会を与えない、ということ。
『受け取らない人は、与えない人』でもあるのです。
ある時、髪を切ってくださっていた美容師さんのお腹がなったことがありました。
「お腹空いてる?」って聞くと「ちょっと空いて来たかも」という返事。しかも、その後も仕事が詰まっている感じで食べる時間がなさそうでした。
そのときは我が家に出張ヘアカットに来てもらっていました。だから、髪の毛をカラーリングしてもらっている合間に、おにぎりを握って「食べて」って差し出したんです。
彼女は「嬉しい、ありがとう!!」って食べてくれて「おいしいねー!!」って、すごく喜んでくれました。私もとっても嬉しかったです。
こういう時に「そんなの申し訳ないから」って遠慮されて食べてもらえなかったら、ちょっと寂しくなったりしませんか?この差し出したおにぎりちゃん、なんか寂しげ…って感じになりませんか。
私は、彼女が喜んで食べてくれたことで「ありがとう」の気持ちや、人の役にたったと感じられる喜びをいただいたんですよね。彼女が、それを私に与えてくれたんです。
もちろん、食べたくないものでも食べろとか、受け取りたくない好意でも必ず受け取れとか、そういうことを言っているのではありませんよ。念のため。
受け取れる人は、与えられる人。
「迷惑とかかけるの嫌だし」と、誰かの優しい手を断るくせがある人は、本当の意味での「喜び」を循環させることをストップさせてしまっているんですよね。誰かの「喜び」を奪っているの。そのことに気づいたなら、受け取ることへの罪悪感も少しづつ軽くなっていくのでは?
まずは「ありがとう!」と受け取ってみてくださいね。